「福袋」 角田光代 (河出書房新社)

↑↑気になった方は こちらからどうぞ
ただ今放送中の「八日目の蝉」の作者・角田光代さんのまさに「福袋」なお話満載の短編集。
なんてタイムリーなワタシ!( ̄m ̄* )ムフッ♪
この本ね、見た目が綺麗なの。←そこか
表紙がとっても綺麗で、思わず手に取っちゃった。(笑)
ドラマ「八日目の蝉」の原作は未読なので、原作のニュアンスはわからないけど、ドラマレビューのとこで「趣が違う」って書いたけれど、内容の濃さではやはり同じ作者さんかなって思います。
なんていうのか…人間の深いところを突いているというのか。
福袋の中身は「箱おばさん」の箱であったり、「イギー・ポップを聴いていますか」の紙袋に入った謎のビデオたちだったり、「白っていうより銀」の赤ん坊であったり、「フシギちゃん」の携帯電話であったり、「母の遺言」の形見であったり、「カリソメ」の離婚間際の夫だったり、「犬」であったり、「福袋」の迷惑な兄の存在であったり。←’太字で書いているのが短編のタイトルです。
この一冊で、人生の様々なことを考えさせられます。
何かしら思い当たることに出会ったり、ああ、そういうことあるなと共感したり、こういう汚いこと、イヤだけど考えちゃうなと思ったり。
そうだな~強いて一編だけ取り上げるとしたら「フシギちゃん」かな。
一緒に暮らす恋人の携帯メールを盗み見して、別に女がいると感じた主人公。
一度見てしまうとメールをこっそりチェックするのが習慣になってしまい、恋人に問いつめるとメールの履歴を消すようになる。自分との通話履歴さえも…?
同じ会社でフシギちゃんと呼ばれている独身の長谷川さんは、かつて同棲していた恋人のことを何もかも知りたくて、彼の留守中に部屋中の彼のありとあらゆるものを調べまくった経験を語る。
まだ携帯電話など普及していなかった頃の話だ。
タンスの中、机の引き出し、台所、ベッド、本棚、CD、マンガ、ノート、卒業アルバム…。
そして押入の天袋の中から、彼の昔の恋人からの手紙の入った缶を見つける。
彼が中学生くらいの頃から大学生までの間に付き合っていたらしい彼女の文面。
そこから二人のなれそめや初キス、初体験、別れなどを知ることになる。
全てを知り尽くしてもなお、固定電話の通話履歴や着信履歴までチェックせずにはいられなくなり、それに気付いた彼はわざと履歴を消すようになる…。
知り尽くしてしまったとき…恋も終わってしまった。
知ってしまったら、興味が無くなったのだ。
ね、なんか怖いでしょう?
怖いけど、好きな相手のことを知りたいと思う気持ちはわからなくも無かったりして。
何もかも知っておきたい、信じてるけどどこかで疑ってる、もしかしたら私のこと裏切ってやしないか?
全部愛情からではあるんだけどね。
そこまでしても残ったのは虚しさだけだなんて、なんか寂しい。
全部知らないくらいが人付き合いはちょうどいいのかもしれません。
知らないから興味を持ってその人の話を聞くし、知らないから先入観や思いこみを覆されたりすると面白いと感じるんじゃないかな。
一編でもこの濃さなので、全八編を読み終えたら人生観変わるかも!(笑)
今回読んだ本はこちら 「福袋」
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(2010.4.10)
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