「光る海へ」 山名美和子 (新人物往来社)

↑↑気になった方は
こちらからどうぞ
幕末の横浜。開港したばかりの町で生糸卸問屋と営む「伊那富屋」。
一人娘の梨江が、父が亡くなり大火事に遭う等、災難が次々に襲う中、一人前の商人へと成長していく”細うで繁盛記”。
読んでいてなぜか次々襲う災難が大したことで無いような気がしたのはなぜだろう?
何度もそれを考えていたのだけど、たぶん梨江自身が何も痛い目に遭わずに周囲の力を借りて災難を乗り越えているのに、さも梨江の手柄のようになっているのが私的に面白くなかったのかもしれない。
私って意地悪?
常に大和和紀の「ヨコハマ物語」を思い出しながら、するとは無しに比較しながら読んでしまったのだけど、「ヨコハマ物語」のヒロイン・万里子も梨江と似たような境遇だが、父の死によって店が傾いたとき、愛する人に別れを告げる暇も無く、好きでもない、むしろ嫌っていた男と結婚する道を選ばざるを得なかった。
梨江にはそんな試練が無く、可哀想だったのはおたえという娘の方で、そっちに深く同情してしまった。
梨江は好きな人と結婚の約束をし、店は生涯、伊那富屋に捧げるという番頭に任せて、念願のフランスへ渡欧するというハッピー過ぎるラスト。
そりゃ、梨江さんにとって海は光り輝いていたでしょうよ、とイヤミを言いたくなるような物語なのでした。
今回読んだ本はこちら 「光る海へ」
(2009.11.26)

コメント