「明日の話はしない」 永嶋恵美 (幻冬舎)

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誰もが普通に口にする「また明日」、「明日になったら」、「明日のお楽しみ」…。
小児病棟で難病と闘う小学五年生の真澄は、入退院を繰り返し、辛い治療と苦い投薬、それに伴う不快な副作用に耐えながらも、いつか明日が来なくなる自分の人生を悲観していた。
だから、明日の話はしない。
同じ病室の少年には双子の翠という姉がいた。
双子なのに健康な翠。
重篤な病気を闘う弟・蒼樹。
この不公平が双子の関係を劣悪にし、真澄も翠を疎んじる。
病院で働くナースでシングル・マザーの息子・浩二は、時折母親を訪ねており、そのときに真澄と蒼樹と顔見知りになる。
「小児病棟」は真澄、「1998年の思い出」はあるオカマのホームレス、「ルームメイト」は翠、そして「供述調書」で三つの物語の点は線となり、一つの悲しい物語になる。
幼い子供だって、その小さな頭の中で持ち得る能力と感情をフル回転させて真剣に物事を考えている。
真剣だからこそ、たとえ未熟であっても思い切った行動に出てしまい、取り返しがつかなくなることもあるのだ。
未来ある子供には存分に明日の話をして欲しい。
明日、世界の終わりが来るとわかっていても、子供には「大きくなったら」と夢を語って欲しい。
今回読んだ本はこちら 「明日の話はしない」
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(2011.4.7)

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